どうしてコットンは安いのか(1)

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  • 投稿カテゴリー:コットン
  • 投稿の最終変更日:2021-11-01

綿花は多くの国で作っているものの、ラオス農民の言うような生活の糧にならないという現象がなぜ起こるのでしょうか。今の時代、安価なアパレル製品がどこでも手に入ります。これは消費者からすればとてもありがたいことです。アパレルが安いということは、そもそも綿花は余っていて供給過多の状態にあるということなのでしょうか。

 

世界の綿花生産量を見てみると、インド、中国、アメリカの3国が綿花生産量でトップ3になります。主要輸出国としてはアメリカ、ブラジル、インドがあげられ、主要輸入国としては中国、インド、パキスタン、バングラディッシュ、そして最近ではベトナムがあげられます。ここで一つの疑問として、アメリカの綿花がどうしてインド、中国と並んだ価格で市場に出せるのかということです。

 

これは、答えからいうと政府の補助金ということになるようです。アメリカの広大な土地で大きな農機や最新の科学技術を使って大量に生産される綿花は、その市場価格を考えた時に通常のビジネスであれば成立しないことが考えられます。ちなみに、アメリカの綿花は国内ではほとんど消費されず、つまりアパレルなどの製品に変わることなく、中国や東南アジアなどに輸出されます。

 

綿花のみならず農作物は、気候変動などの影響により不作となると価格の急上昇が起こるため、その供給安定性がとても重要になります。アメリカで生産される綿花は、供給が安定していて品質も良く、信頼性が高くなるために需要も大きくなります。日本もアメリカ綿花の大きな買い手です。

 

ここでその取引市場を見てみると、先物取引という方法によって数か月先の綿価格を取引しています。これは、価格と供給の安定性を図るために行われるマーケットの仕組みです。綿のみならずメジャーな農作物は、先物取引によって価格が決められます。価格は安定的、かつ競争力がなくては取引されません。アメリカ政府は、価格競争力を維持するために大きな財政支出をして農家を支援しています。作物の市場価格と農家の収入のギャップを埋めるために、毎年政府予算が組まれるのです。アメリカ政府が農家を支援しなくなると、世界のあらゆる農作物の価格が現在より上昇することが考えられますし、アメリカ国内での治安の混乱も予想されます。